帝都の新玄関・東京駅完成──東海道本線の中枢として開業式挙行

【東京 12月18日】

本日、新橋駅に代わる東海道本線の旅客ターミナル駅として建設が進められてきた東京駅が完成し、盛大な開業式が執り行われた。同駅は20日より一般旅客への供用が開始される予定で、帝都東京の新たな玄関口として、その役割を担うことになる。

東京駅は、丸の内一帯に面して建設され、赤煉瓦造りの壮麗な駅舎と、広大な構内を備える。設計は辰野金吾博士らが手がけ、欧州の駅舎建築を思わせる重厚な外観が特徴とされる。式典には政府高官や鉄道関係者が列席し、国の近代化を象徴する施設の完成として、その意義が強調された。

これまで東海道本線の起点は新橋駅が担ってきたが、路線の延伸と旅客輸送の増大により、新たな中枢駅の必要性が高まっていた。東京駅は東海道本線のみならず、今後は各方面への鉄道路線を集約する拠点となる見通しで、首都交通の要としての機能強化が期待されている。

丸の内周辺では、駅の完成を契機に官庁や企業の進出が進むとの見方もあり、都市景観や経済活動への影響も少なくない。東京駅の開業は、単なる鉄道施設の完成にとどまらず、近代国家日本の首都像を形づくる出来事として記憶されることになりそうだ。

— RekisyNews 社会面 【1914年】

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