東ゴート軍、ローマ再占領──永遠の都、再び異民族の手に

トーティラ

【ローマ 12月17日】

イタリア半島で続く戦乱の中、東ゴート王トーティラが率いる軍勢が本日、ローマ市内に進入し、同市を占領した。 かつて帝国の中心であった「永遠の都」は、度重なる攻防の末、再び東ゴートの支配下に置かれることとなった。

トーティラ王は、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)軍との長期抗争の中で勢力を回復し、巧みな機動戦と補給遮断によってローマ守備隊を孤立させてきた。市内では食糧不足が深刻化し、抵抗は次第に弱まったと伝えられる。最終的に城門が開かれ、東ゴート軍は大きな戦闘を伴うことなく市内へ入った。

王は占領後、略奪や無秩序な破壊を禁じ、住民の生命と財産の保護を命じたとされる。関係者によれば、トーティラはローマを単なる戦利品ではなく、統治の象徴として維持する意図を示しているという。実際、市内の主要建造物は比較的良好な状態で保たれているとの報告がある。

しかし、ローマ市民の間には不安が広がっている。度重なる支配者の交代により、都市の人口は減少し、かつての繁栄は影を潜めた。商人の一人は「誰が支配者であれ、平穏な日々が戻ることを願うばかりだ」と語った。

今回の占領は、イタリア支配をめぐる戦局において大きな意味を持つ。ローマの行方は、東ゴート王国と東ローマ帝国の抗争の帰趨を占う象徴的出来事として、今後も注目されるだろう。

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