ソ連探検隊、南極の“到達不能極”へ──人類未踏の地点に旗揚げる

【南極大陸 12月14日】

ソビエト連邦の南極探検隊は本日、南極大陸の「到達不能極」への人類史上初の到達に成功した。この地点は大陸内で海岸線から最も遠く、極度の低温・乾燥・強風により、地球上でもっとも近づきがたい場所の一つとして知られる。隊員たちは厳しい雪原を越え、複数の支援隊と無線連絡を保ちながら前進し、ついに目的地点へと辿り着いた。

現地は海抜約3,700メートルに位置し、気温は氷点下50度を下回る。到達時、隊員らはテントを設営し、科学観測のための短時間の滞在を実施した。旗が掲げられると同時に、周囲は一面の白に包まれ、風のうなりだけが響いていた。隊長は「これは南極研究の大きな一歩であり、人類の探究心が極限の地にも届いた証しだ」と語った。

今回の遠征は、国際地球観測年の流れを受けて進められてきた大規模計画の一環であり、輸送には雪上車や航空支援など最新装備が投入された。各国の観測隊が協力を深める中、今回の成果は南極全域の地形・気象研究にとって大きな前進となる。

— RekisyNews 科学面 【1958年】

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