【ニューヨーク 12月11日】
本日、ニューヨークの国連本部において、キューバ政府代表として出席した チェ・ゲバラ産業相(キューバ代表団主席) が、国連総会で約30分にわたる演説を行った。
ゲバラは世界各地の民族解放運動、ラテンアメリカ諸国の貧困、そして米国の対外政策を鋭く批判し、その革命的な語り口によって会場に強い衝撃を与えた。
演説の中でゲバラは、「世界の多くの国々はいまだに植民地主義の支配から自由ではない」と強調し、冷戦下で広がる勢力圏争いの犠牲となっている小国の現状を訴えた。さらにラテンアメリカにおける社会的不平等の深さを指摘し、キューバ革命が掲げる社会改革の正当性を国際社会に向けて改めて主張した。
ゲバラは米国のキューバ封鎖と外交的孤立政策にも直接言及し、「経済的圧力によって人民の意志を屈服させることはできない」と断言。会場は静まり返り、各国代表は慎重な姿勢で彼の言葉に耳を傾けた。
国連総会では異例の緊張感が漂い、演説後には一部アジア・アフリカ諸国の代表がゲバラに握手を求める姿もみられた。一方、米英など西側代表からは表情を変えずに席を立つ者もおり、場内の空気は国際政治の分断を象徴するものとなった。
外交評論家は、「ゲバラの演説は、冷戦体制の中で“南”の国々が抱える不満を代弁した」と述べ、その象徴性の強さを評価した。革命家であり閣僚でもあるゲバラの登場は、国連という舞台において前例の少ない存在感を放った形となる。
ニューヨークの地元紙は早くも「国連に現れたゲリラ指導者」と大きく報じ、市民の間でも関心が高まっている。彼の言葉が、国際社会にどこまで影響を及ぼすのか注目される。
本日の演説は、キューバ革命の理念を国際舞台に持ち込んだ象徴的瞬間として、歴史に刻まれることになるだろう。
— RekisyNews 国際面 【1964年】
