GHQ監修の新番組「眞相はかうだ」放送開始──占領下日本で“民主化”を掲げるラジオ宣伝番組が始動

【東京 12月9日】

本日、連合国軍総司令部(GHQ)の指導のもと制作された新たなラジオ番組 「眞相はかうだ」 が、NHKにより放送を開始した。番組は、戦後日本の“民主化”を推進する一環として設けられた宣伝番組であり、占領政策の方向性や連合国側の見解を国民へ直接伝えることを目的としている。

放送は夜の時間帯に開始され、冒頭ではナレーターが「戦争中に国民が知らされなかった事実を明らかにする」と宣言。続いて、開戦に至った政治的背景や軍部の判断、国民統制の実態などが、占領軍側の視点から語られた。番組構成は、過去の出来事の“説明”と、GHQの政策を理解させる“啓蒙”の両面を兼ね備えており、占領当局の意図が色濃く反映されている。

放送直後から、都内の各家庭で番組を聴いた人々の間にはさまざまな反応が広がった。浅草で商店を営む男性は「戦争中に聞けなかった話が次々に出てきて驚いた」と語り、若い女性は「声の調子が少し怖いけれど、これからの日本のことだと言われると気になる」と話した。一方、「占領軍の都合のいい話だけではないか」と疑問を抱く声も聞かれ、国民の受け止め方は一様ではない。

番組制作の背景には、GHQの民間情報教育局(CIE)が掲げる「日本国民の再教育」と「民主主義普及」の方針がある。番組の台本や解説内容の多くはGHQ側が監修し、NHKはその内容に沿って番組を組み立てている。放送局関係者は、「占領下である以上、求められる内容に従うしかない」と語りつつも、「これまでにない形式の番組で、国民の反響も大きいだろう」と見通しを述べた。

番組は今後も定期的に放送される予定で、テーマは時事問題から戦争責任、今後の政治制度のあり方まで幅広く扱われるとみられる。「眞相はかうだ」は、戦後日本の情報環境が大きく転換する象徴的な企画として位置づけられ、占領政策の中で重要な役割を果たすことになりそうだ。

— RekisyNews 社会面 【1945年】

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