【レニングラード 12月1日】
本日午後、ロシア共産党レニングラード支部の指導者であり、党中央委員会書記としても重職を担っていた セルゲイ・キーロフ氏 が、党本部内で凶弾に倒れた。犯行は建物内部で単独行動をとっていた男によるものとみられ、警備担当者が取り押さえたが、キーロフ氏は搬送後まもなく死亡が確認された。国内各地にその報が広がると、党幹部から市民に至るまで深い衝撃が走っている。
事件が起きたのは午後4時頃、キーロフ氏が執務室へ向かうため廊下を歩いていた際、至近距離にいた男が突如拳銃を取り出し発砲した。党職員の証言によれば、「銃声は一発だけだったが、廊下にいた全員が凍りついた」という。男はその場で拘束されたが、犯行動機については現時点で明らかにされていない。
キーロフ氏は温厚な性格と組織運営の手腕で知られ、党員や市民から広く支持されていた存在である。各地の党支部からは哀悼の電報が相次ぎ、事件現場近くでは人々が黙祷を捧げる姿も見られた。急遽レニングラードへ向かった政府関係者は、「国家に対する重大な挑戦であり、徹底した調査を行う」と強調した。
一方、党内では早くも事件の背景をめぐりさまざまな憶測が飛び交っている。犯行が政治的動機によるものなのか、あるいは個人的怨恨かは明らかではないが、党の統治体制そのものに疑念を投げかける事件として、今後の影響は避けられないとの見方が強い。
市内では警備が強化され、主要施設には武装兵が配置された。レニングラードの空気は重く沈み、街路では「この先どうなるのか」と不安を語り合う市民の姿が見られる。党本部周辺では検問が開始され、夜になっても緊張が続いている。
今回の暗殺は、国内の政治情勢に重大な波紋を広げる可能性があり、今後の調査結果と政府の対応が注目されている。キーロフ氏の遺体は今夜中にモスクワへ移送される見通しで、党は国葬の実施を検討している。
— RekisyNews 国際面 【1934年】
