「きく7号」など搭載のH-IIロケット6号機、打ち上げ成功――信頼回復に前進

【種子島 11月28日】

宇宙開発事業団(NASDA)は本日午後4時27分、種子島宇宙センターから国産のH-IIロケット6号機を打ち上げ、ドッキング技術試験衛星「きく7号(ETS-VII)」と、日米共同開発の熱帯降雨観測衛星「TRMM」の軌道投入に成功した。

今回の打ち上げは、H-IIロケットとして5回目の打ち上げで、5回連続の成功となった。純国産の大型ロケットとして着実な実績を重ねており、今後の宇宙開発計画に対する信頼性の向上が期待されている。

搭載された「きく7号」は、日本初の人工衛星によるドッキング実験とロボットアーム操作を行う技術試験衛星で、国際宇宙ステーション関連の将来構想に資する重要なミッションを担う。一方「TRMM(トリム)」は、NASAとの国際協力により開発された熱帯降雨観測衛星で、気象予測や地球環境の解析への貢献が見込まれている。

NASDAは「今回の成果を礎に、次世代のH-IIAロケットへの移行も円滑に進めていきたい」とコメントしており、日本の宇宙技術にとって大きな一歩となった。

— RekisyNews 科学面 【1997年】

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