【東京 11月28日】
本日、宗教法人・日蓮正宗総本山大石寺(静岡県富士宮市)は、長年にわたり信徒団体として活動してきた創価学会(会長・池田大作氏)および国際組織SGI(創価学会インタナショナル)に対し、正式な破門処分を下したと発表した。これにより、数十年にわたる両者の関係が事実上決裂する形となった。
破門の理由について日蓮正宗側は、「学会側の教義逸脱行為、僧俗の秩序を乱す言動、宗門に対する反抗的姿勢が看過できない段階に至った」と説明。具体的には、池田会長による独自の教義的発言や、学会主導による法要実施などが問題視されたとされる。
一方、創価学会側はかねてより、日蓮正宗の教義運用や僧侶側の対応に対して不満を表明しており、「現代社会に即した仏法の実践こそが本義」との立場を崩していなかった。今回の破門処分に対しても、強く反発する声明が出される見通しである。
戦後まもなくから続いた両者の協力関係は、創価学会による布教活動と組織拡大により宗門の信徒数を飛躍的に伸ばす結果となり、互恵的関係にあった。だが1980年代後半以降、次第に教義解釈や組織運営を巡って軋轢が深まり、関係悪化は決定的となっていた。
今回の破門処分により、国内外に広がる数百万人の信徒を擁する創価学会は、今後独自の宗教組織としての路線をさらに強めることが予想される。一方、日蓮正宗は、信徒の再編や寺院の管理において難しい局面を迎えることになりそうだ。
— RekisyNews 社会面 【1991年】
