【東京 11月26日】
本日、東京市内にて日本ペンクラブの設立総会が開催され、日本の文筆家による国際的な表現の自由と文化交流を推進する組織が正式に発足した。この新団体の初代会長には詩人・小説家の島崎藤村氏が就任した。
日本ペンクラブは、国際的な作家団体「国際ペン(PEN)」の精神に賛同し、日本における支部として誕生したものである。PENは「詩人(Poets)、随筆家(Essayists)、小説家(Novelists)」の頭文字を取った名称で、世界中の作家たちが表現の自由を守り、文化的・知的な交流を深めることを目的に活動している。
今回の発足には、志賀直哉、菊池寛、武者小路実篤ら、多数の著名作家が名を連ねており、日本文学界にとって歴史的な転機となった。島崎会長はあいさつの中で、「文学は国境を越え、人と人を結ぶ力を持つ。いまこそ日本の文筆家も世界に対話を広げる時である」と力強く語った。
今後は、出版・言論の自由を擁護する立場から社会的発言を行うとともに、海外との文化交流、翻訳紹介、文芸講演会の開催などが予定されている。すでに欧州各国やアメリカとの連携も模索されており、国際的な舞台での日本文学の存在感向上が期待されている。
— RekisyNews 文化面 【1935年】
