ノーベル氏、爆薬の革新に成功──新発明「ダイナマイト」が特許取得

【ストックホルム 11月25日】

本日、スウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベル氏が、爆薬技術に関する新たな特許を取得した。特許の対象は、ニトログリセリンに珪藻土を混ぜ安定化させた爆薬「ダイナマイト」であり、極めて高い破壊力と、従来の爆薬にはない安全性を兼ね備えた発明として注目されている。

ノーベル氏は、数年前より危険性の高い液体爆薬「ニトログリセリン」の工業利用に取り組んでいたが、しばしば事故に見舞われ、多くの犠牲者を出してきた。しかし今回の発明により、可燃性を保ちつつも取り扱いが容易な固形爆薬の製造が可能となり、鉱山開発や鉄道建設など、土木工事の分野において爆発的な普及が期待される

実際に、先行して行われた実地試験では、ダイナマイトが岩盤を効率的に破砕する様子が確認され、技術者や鉱山関係者から高い評価を得ている。火薬の爆発力を保持しつつ、輸送中の振動や火花による暴発を防ぐ安全設計は、これまで多くの命を奪ってきた爆薬事故への解決策となる可能性がある。

なお、ノーベル氏はこの発明を商業化する方針であり、自らの名を冠した「ノーベル社」にて量産体制を整えつつあるという。今後ヨーロッパ各国での使用認可が進めば、新時代の産業革命を支える重要な技術の一つとして位置づけられることになろう。

— RekisyNews 科学面 【1867年】

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