中国初の有人宇宙船計画へ前進 「神舟1号」が初飛行に成功

【甘粛省酒泉 11月19日】

本日午前、中国は独自開発した宇宙船「神舟1号」の打ち上げに成功した。発射は午前6時半、甘粛省の酒泉衛星発射センターから行われ、長征2F型ロケットによって宇宙空間へ投入された。宇宙船は無人試験機ながら、将来の有人飛行を視野に入れた中国初の本格的宇宙船であり、同国の宇宙開発計画は大きな節目を迎えた。

神舟1号は発射後、予定軌道に順調に到達。地上局との通信も安定して行われ、軌道上での制御技術や帰還システムなどの検証が進められる。中国航天局は「初飛行として極めて良好な成果」と述べ、今後の有人飛行に向けた開発を加速する姿勢を示した。

酒泉の発射場には政府関係者や研究者が集まり、ロケットが夜明けの空を切り裂くと歓声が上がった。中国は1970年代から人工衛星の打ち上げを続けてきたが、宇宙船の開発は国家的技術力の象徴とされ、国民の期待も高まっていた。

宇宙船は数周の飛行後に内陸部へ帰還する予定で、耐熱材やパラシュートの作動など、有人飛行に不可欠な安全性の確認が焦点となる。中国政府は「宇宙への独自の道を切り開く」として、21世紀初頭の有人飛行実現を目指す。酒泉の砂漠地帯には、成功を祝う研究者たちの笑顔が広がった。

— RekisyNews 科学技術面 【1999年】

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