【ジュネーヴ 11月19日】
アメリカ合衆国のロナルド・レーガン大統領と、ソビエト連邦のミハイル・ゴルバチョフ書記長が本日、スイス・ジュネーヴで初めての首脳会談を行った。両国首脳が直接向き合うのは中断が続いていた協議以来となり、両国間の緊張緩和に向けた一歩として世界的な注目を集めている。
会談は午前よりレマン湖畔の別荘で始まり、両首脳はそれぞれ通訳と側近を伴って着席。冒頭、レーガン大統領は「率直で誠実な対話を望む」と述べ、ゴルバチョフ書記長も「相互理解こそが前進の道である」と応じた。議題の中心は中欧における軍備、特に中距離核戦力の削減問題とされ、双方の主張は大きく隔たっているが、定期的な対話再開に向けた基礎作りが期待されている。
会場周辺では厳重な警備が敷かれ、各国報道陣が詰めかける中、両国国旗が静かに風になびいた。午前中の会談を終えた両首脳は別々に休憩に入り、午後も非公開の協議が続けられた。米政府関係者は「本日の目的は合意文書ではなく、信頼の構築にある」と語り、ソ連側も「会談の継続そのものが成果」と慎重に発言した。
今回は二日間の会談が予定されており、明日も両首脳は引き続き協議を行う。長年の対立が続いた両国の関係改善に向け、歴史的な第一歩となり得るかどうか、ジュネーヴの空気は緊張と期待が入り混じっている。
— RekisyNews 国際面 【1985年】
