【東京 11月19日】
東京都は本日より、児童の通学時の安全確保を目的とした「学童擁護員」制度を全市区町村で開始した。主に通学路の横断歩道や交通量の多い交差点に配置される女性擁護員は、その制服の色から「緑のおばさん」の愛称で早くも親しまれつつある。
戦後の急速な都市化により、都内では交通事故が増加。特に登下校時の児童が巻き込まれる事例が相次いだことから、交通指導と見守りを専門に行う人員の確保が急務とされてきた。今回の制度では、地域在住の婦人会・町会の協力を得て募集が行われ、所定の講習を受けた上で配置される。
今朝の都内各地では、鮮やかな緑の帽子と腕章を身につけた擁護員が横断歩道前に立ち、子どもたちに「気をつけて渡ってね」と声をかけながら交通整理にあたる姿が見られた。小学生の一人は「おばさんがいると安心」と笑顔を見せ、保護者からも歓迎の声が上がっている。
東京都は、今後も交通量の多い地域を中心に配置を増やし、事故防止に努める方針。地域と行政が協力して子どもを守る取り組みとして、全国からも注目を集めている。
— RekisyNews 社会面 【1959年】
