議会を火薬で吹き飛ばす陰謀、未遂に終わる

【ロンドン 11月15日(ユリウス暦11月5日)】

国王ジェームズ一世のもと、開会を目前に控えた議会の地下室から大量の火薬が発見され、宮廷と市内に大きな衝撃が走った。爆破を企てたのは、カトリック信徒の一団。中心人物ロバート・ケイツビーの主導で、国王と議員の暗殺をもって新たな政体を樹立しようとしたとみられる。

事件発覚の契機は、議員に届いた匿名の警告状だった。これを受けた捜索隊が地下倉庫を調べたところ、36樽もの火薬と見張り役の男を発見。男は「ガイ・フォークス」と名乗り、尋問の末、共謀者らの名を明かしたという。計画は数か月前から進められていたとされ、議事堂を爆破し、国王の暗殺と同時にカトリック王を擁立する筋書きが立てられていた。

捕らえられたフォークスは、激しい拷問ののち自白。共謀者の大半は逃走中に銃撃戦の末死亡、残る者も逮捕された。ロンドン市民は恐怖と安堵の入り混じる夜を過ごし、各地で火を焚き、国王の無事を祝ったという。

今回の事件は、宗教対立の深い亀裂を改めて浮き彫りにした。宮廷筋によれば、今後カトリック勢力への取り締まりが一層強化される見通しだ。

— RekisyNews 国際面 【1605年】

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