【ケープケネディ 11月14日】
アメリカ航空宇宙局(NASA)は本日午後、2機目となる有人月宇宙船「アポロ12号」の打ち上げに成功した。ケネディ宇宙センターから土砂降りの雨の中、サターンV型ロケットによって発射された宇宙船は、3人の宇宙飛行士を乗せ、月面着陸に向けた軌道へ順調に移行した。
乗組員は、指令船パイロットのディック・ゴードン、月着陸船パイロットのアラン・ビーン、そして指令官のチャールズ・“ピート”・コンラッドの3名。彼らは前回アポロ11号が成し遂げた月面着陸に続き、精密な着陸と科学的探査の遂行を目的としている。
今回のミッションでは、月面の「嵐の大洋」地域にある無人探査機サーベイヤ3号の着陸地点近くへの着地が目指されており、これが成功すれば人類が月面上の特定地点に狙い通り着陸するという新たな技術的成果となる。
なお、発射から直後に雷が機体を直撃するというアクシデントが発生したが、乗組員と地上管制の冷静な対応により、システムの復旧が成功し、ミッション続行が決定された。
アポロ計画の信頼性と応用技術の発展を示す本ミッション。月への“第2の一歩”が、科学と人類の未来へ確かな足跡を刻もうとしている。
— RekisyNews 科学面 【1969年】
