【京都 11月12日】
本日、京都大学において開催予定だった学生主催の講演会が、講演者による「天皇に戦争責任がある」との発言を理由に急遽中止されるという騒動が発生し、大学内外で大きな波紋を広げている。
問題が起きたのは、京都大学新聞社(学生団体)が主催した公開講演会。招かれていた講演者・美濃部亮吉氏(東京教育大学教授、経済学者)が、事前に配布された講演草稿の中で、「天皇に戦争責任がある」との見解を記述していた。
この発言に対し、大学当局は「不穏当な政治的発言であり、混乱を招く」として会場使用を認めず、講演会は直前で中止に追い込まれた。これに反発した学生らは学内外で抗議の声を上げ、学問の自由と表現の自由をめぐる論争に発展しつつある。
事件は、占領下から主権回復に向かう日本社会において、「象徴天皇制」と表現の限界が鋭く問われた事例として注目を集めている。京大全学連(全学学生自治会連合)は大学側の対応に強く抗議し、抗議集会を検討中であるという。
一方で、講演の内容や表現を「過激すぎる」として支持しない学生の声もあり、学生・教員・大学当局の間で意見が分かれている。本事件は、今後の大学内の自治や思想的表現の在り方に大きな影響を与える可能性がある。
— RekisyNews 教育面 【1951年】
