昭和天皇、即位礼を京都御所で挙行 厳粛な大典に全国注視

【京都 11月10日】

本日午前、昭和天皇の即位礼が京都御所・紫宸殿にて厳かに執り行われた。大正天皇の崩御を受けて1926年12月25日に践祚(せんそ)されてから約2年、正式に天皇として即位を内外に宣明する国家の大典である。

紫宸殿には伝統の高御座(たかみくら)と御帳台(みちょうだい)が設けられ、昭和天皇は束帯、香淳皇后は十二単にお召し替えのうえ登壇された。天皇は「即位の詔書」を朗々と奏上し、「朕、皇祖皇宗の神霊を仰ぎ、国運の進展と世界の平和を祈る」と宣明された。

続いて内閣総理大臣・田中義一閣下が「万歳三唱」を奉唱し、紫宸殿には国民の敬意と歓声が響いた。列席者には、皇族、三権の長、各国使節団など国内外の要人が多数参列。日本古来の伝統に則った儀式は、厳粛かつ華麗な中に終始した。

京の都は朝から祝賀一色に包まれ、沿道には国旗を振る市民の姿も多く見られた。全国各地でも奉祝の提灯行列や記念式典が催される予定で、昭和の御代の門出を祝う熱気に満ちた一日となった。

— RekisyNews 国内面 【1928年】

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