【ヴュルツブルク 11月8日】
本日、バイエルン王国のヴュルツブルク大学で教鞭を執る物理学者ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン教授が、物体を透過する未知の光線を発見したと明らかにした。この現象は従来の物理学では説明が困難であり、教授はこの新しい放射線を「X線」と命名した。
教授によれば、陰極線管を黒い厚紙で覆った状態でも、近くに置いた蛍光板が発光したことから、紙や木材を透過する何らかの目に見えない放射線の存在に気づいたという。その後の実験で、人間の手を通して骨の像が映し出されるという驚くべき結果を得た。
レントゲン教授は、「この新しい線は磁場にも影響されず、通常の光とはまったく異なる性質を持つ」と述べており、物理学だけでなく医学への応用も期待される。すでに骨や内臓の可視化への道を開く技術として注目が集まっており、臨床の現場で活用される日も近いと見られている。
本発見は、電磁波や放射線の研究に革命をもたらす可能性を秘めており、今後の詳細な論文発表が待たれる。科学界では早くも、「19世紀最大の発見」との呼び声も高い。
— RekisyNews 科学面 【1895年】
