荘厳なる国権の殿堂 永田町に国会議事堂ついに完成

国会議事堂落成

【東京 11月7日】

建設に17年の歳月を要した国会議事堂が本日、ついに落成を迎えた。午前、永田町の新議事堂前では関係者が集い、盛大な落成式が執り行われた赤茶色の花崗岩で構成された堂々たる建築は、国家の象徴にふさわしい威容を誇っている

設計は公募により選ばれた渡辺福三郎氏らの案を基に整えられ、本格的な建設工事は大正8年(1919年)に始まった。建物の中央にそびえる塔屋は高さ約65メートルで、帝都の新たなランドマークとなる見込み。内部には衆議院・貴族院の両議場のほか、議員控室、委員会室、貴賓室などが配置されている。

本建物は、主要資材に国産石材と木材を使用し、工事費は約2500万円とされる。落成にあたり、大礼服に身を包んだ議員らが正面玄関を歩む姿が、国民の目に誇らしく映った

旧仮議事堂が火災で焼失したのは明治27年のことであり、それ以降の仮設庁舎生活からの脱却は、政界関係者にとっても念願であった。今回の落成により、国権の最高機関がようやく恒久の殿堂を得たことになる

来る12月22日には、この新議事堂にて初の通常議会が開催される予定であり、国民の注目が高まっている

— RekisyNews 政治面 【1936年】

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