【サン・ビセンテ(ボリビア) 11月7日】
南米ボリビア西部の鉱山町サン・ビセンテにて本日未明、2名の外国人と思われる男と地元警官隊との間で激しい銃撃戦が発生。男たちは鉱山宿を占拠して立てこもり、数時間にわたり応戦したが、最終的に双方とも遺体で発見された。
地元関係者によると、死亡した2人のうち1人は“サンダンス・キッド”ことハリー・ロングボー、もう1人は“ブッチ・キャシディ”の名で知られるロバート・ルロイ・パーカーと見られている。2人はいずれも米国西部で数々の銀行強盗や列車襲撃に関与した“ワイルドバンチ”の幹部であり、数年前に中南米へ高飛びしたとの情報があった。
事件の発端は、11月4日にユニオン・パシフィック鉱山会社の給料を積んだラバ隊が襲撃され、銃撃とともに金銭が奪われたことにある。目撃証言と馬の足取りから容疑者を追跡していた警官隊が、サン・ビセンテの宿に潜伏中の男たちを発見。立ち退きを要求したところ、応じずに発砲してきたという。
最終的には宿の中から1発の銃声が響き、沈黙が訪れた。遺体発見時、2人は弾切れの状態で、うち1人は相方を撃った後に自殺したと見られる。
遺体の正式な身元確認は現在進行中だが、米国当局はこの2人が“西部開拓時代の象徴的逃亡者の終焉”を迎えた可能性が高いとみている。この報せは、アメリカ西部に残る無法者時代の終幕として注目されそうだ。
— RekisyNews 社会面 【1908年】
