【東京 11月6日】
連合国軍総司令部（GHQ）は本日、日本政府に対し、三井・三菱・住友・安田の四大財閥を解体するよう正式に指令を発した。敗戦後の経済再建を民主化の方針に沿って進めるため、経済支配の中枢にあった財閥体制を抜本的に改める狙いだ。
この「財閥解体指令」は、SCAP（連合国最高司令官総司令部）民政局を通じて通達され、日本政府に対し各財閥の持株会社を解散し、資産を分割・譲渡することを求めている。対象となるのは、日本経済の大部分を握ってきた三井本社、三菱本社、住友本社、安田本社などで、それぞれが数百の関連企業を傘下に置いていた。
GHQは声明で「少数の家族・個人による経済支配を撤廃し、自由で公正な市場経済を確立する」と発表。各財閥の役員らは当面の間、職務停止や資産凍結の措置を受ける見通しだ。政府関係者によれば、財閥の所有株式は信託会社に移管され、一般国民への分配が検討されているという。
東京の財界では衝撃が走った。ある財界人は「戦前から日本の産業を支えてきた組織が一夜にして姿を消すとは思わなかった」と語り、今後の経済混乱を懸念する声も上がる。一方、労働者や中小商工業者の間では、「大資本の支配から解放される」との歓迎の声も聞かれた。
敗戦からわずか三か月。軍需生産の崩壊で疲弊する経済の再建は、まさに始まったばかりだ。今回の決定が、封建的な経済構造を打破し、新しい日本経済の出発点となるか注目されている。
— RekisyNews 経済面 【1945年】
