【ワシントン 11月5日】
本日行われたアメリカ合衆国大統領選挙において、現職のフランクリン・D・ルーズベルト氏(民主党)が共和党候補ウェンデル・ウィルキー氏を破り、歴史上初となる三選を果たした。これはアメリカ建国以来、いかなる大統領も達成してこなかった快挙であり、同国の政界において大きな節目となる。
開票の結果、ルーズベルト氏は選挙人票で圧倒的多数を獲得(選挙人票449対82)。一般投票においても大差での勝利が確実となり、1932年、1936年に続く3期連続の政権維持を実現した。
今回の選挙戦では、欧州で拡大する第二次世界大戦に対するアメリカの関与方針や、国内経済の立て直しを図るニューディール政策の継続性が主要な争点となった。ルーズベルト氏は「中立を保ちつつも、アメリカの安全保障を確保する」姿勢を強調し、有権者の広範な支持を得たとみられる。
一方で、三選そのものに対しては「権力の集中を避けるべき」とする伝統を破るものだとの批判も根強く、今後の政権運営には慎重な対応が求められる。
ルーズベルト氏は選挙結果を受け、ホワイトハウスでの記者団に対し、「この困難な時代にあって、国民の信任は何よりの力となる。自由と民主主義を守るために全力を尽くす」と語った。
— RekisyNews 国際面 【1940年】
