仏警察、指名手配中の大物犯罪者ジャック・メスリーヌを射殺 パリ市内で銃撃戦

【パリ 11月2日】

フランス全土で“最後のギャング”と恐れられていた犯罪者ジャック・メスリーヌ(42)が本日午後、パリ市内のポルト・ド・クリシー付近で、警察によって射殺された

同国で最も危険な男と称されていたメスリーヌは、脱獄、銀行強盗、誘拐、暴行など多数の重犯罪に関与していたとされ、国内外で長らく指名手配の対象となっていた。

関係筋によれば、パリ警視庁の特殊部隊は事前の内偵に基づき、メスリーヌが使用していた車両を同地点で急襲。午後3時15分ごろ、交通渋滞中の車列に紛れていた車に対し、複数の警官が一斉に発砲し、メスリーヌと同乗者の女性が負傷。メスリーヌはその場で死亡が確認された。

事件現場となった大通りは一時騒然となり、近隣の通行人からは「映画のワンシーンのようだった」との証言も。警察は、「武装した重罪犯に対し、一般市民の安全を最優先にした措置だった」と説明し、違法性はないとの立場を強調している。

メスリーヌは“変装の達人”として知られ、幾度もの逮捕から逃れ、自らの犯罪を元にした著書の出版やメディア出演を通じて“犯罪のスター”として君臨。その反骨的姿勢と奔放なライフスタイルから、犯罪者でありながら一部の若者に英雄視される存在となっていた。

今回の射殺には、警察権力による“処刑”であったとの批判的な声も一部から上がっており、今後の捜査の透明性や報道の在り方が問われる可能性もある。

— RekisyNews 社会面 【1979年】

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