政府、国民服令を公布 男子国民に統一衣類を制定

【東京 11月2日】

本日、内閣は「国民服令」を官報にて公布し、成年男子を対象とする統一衣類「国民服」の制定を正式に発表した。公布は即日施行され、今後、段階的に国民全体への普及が進められる見通しである。

この国民服は、戦時体制下における物資の節約と国民精神の統一を目的とし、軍服に準じた簡素で実用的なデザインが採用されている。色はカーキ色(国防色)を基調とし、襟は立ち襟、前開きで胸ポケットが2つ、腰ベルトを備えるなどの構造で、動員時の準軍装としても転用可能な仕様となっている。

政府関係者は「質素倹約の精神を服装から体現し、国民一致の気風を築く」と語り、特に公務員や団体職員、学生などから着用を広げる方針であることを明かした。今後、各地の衣料商組合などを通じて国民服の製造・販売体制が整えられていく。

なお、着用は義務ではないものの、推奨事項として広報が徹底され、事実上の“標準服”として浸透する見込み。政府は国民に対し、「贅沢を戒め、質実剛健たる態度で国家総力戦に臨むべし」と訴えている。

— RekisyNews 社会面 【1940年】

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