明治神宮が創建、鎮座祭に群衆殺到──38人死傷の事故も発生

【東京 11月1日】

本日、明治天皇と昭憲皇太后を祀る明治神宮が東京都代々木の地に創建され、盛大な鎮座祭が執り行われた。荘厳な神道儀式のもとで執り行われたこの祭典には、全国から多くの参拝者や見物客が詰めかけ、沿道や神宮の敷地周辺は人で溢れかえるほどの賑わいを見せた

明治神宮の建立は、明治天皇の崩御後、国民の間に自然発生的に沸き起こった追慕の声に応える形で決定されたもので、代々木の森を整備して神域とし、全国から寄進された献木をもとに広大な鎮守の森が形成された。建設工事には延べ11万人を超える勤労奉仕者が参加し、国家的事業として進められてきた。

しかし、鎮座祭当日は予想を上回る大群衆が詰めかけ、参道周辺では身動きが取れないほどの混雑状態に陥った。その結果、一部で将棋倒しが発生し、38人が死傷する痛ましい事故が発生した。警察は現場整理と誘導に追われたが、群衆の熱気と勢いを完全に抑えるには至らなかった。

政府関係者は、「これほどまでに国民が明治天皇を慕っていることの証左」としつつも、「安全対策の不備は今後の教訓としたい」と述べた。明治神宮は今後、国民的な参拝の場、そして近代日本の精神的象徴としての役割を担っていくことが期待される

— RekisyNews 社会面 【1920年】

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