【バチカン市国 10月31日】
本日、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、17世紀に異端とされた天文学者ガリレオ・ガリレイ(1564–1642)に対する宗教裁判について、教会側の誤りを公式に認め、名誉を回復する声明を発表した。 これは、ガリレオの死後ちょうど350年という節目の年にあたる。
この発表は、教皇庁内に設置された「科学と信仰の調和に関する委員会」の調査報告に基づくものであり、ヨハネ・パウロ2世はその内容を受け入れる形で、「神の真理を追い求めたガリレオの科学的探究を教会は正当に評価できなかった」と述べた。
ガリレオは、地動説を唱えたことで1616年にローマ教皇庁から警告を受け、1633年には異端審問により自説の撤回を命じられ、軟禁状態に置かれた。当時の教会は聖書の記述に基づき天動説を正しいとし、科学的観測に基づくガリレオの説を異端と判断していた。
声明の中で教皇は、「科学と信仰は本来対立するものではなく、むしろ共に真理を追究する存在である」と語り、過去の過ちを通じて現代の教会が学ぶべき姿勢を示した。
今回の名誉回復は、近代科学の父と称されるガリレオへの遅すぎた謝罪ではあるが、教会と科学界の対話に新たな一歩を刻むものとして世界中から注目されている。
— RekisyNews 宗教・科学面 【1992年】
アイキャッチ画像 Gov.pl, CC BY 3.0 pl, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=116721606による

 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			