戦後初の国葬、吉田茂氏を日本武道館で葬送──国内外から約7000人が参列

【東京 10月31日】

本日午後、日本武道館にて元内閣総理大臣・吉田茂氏(享年89)の国葬儀が、政府主催のもと厳粛に執り行われた。これは戦後初の国葬であり、元首相としての国への功績を讃える国家儀礼の形式で行われた。

葬儀には、皇太子殿下をはじめ、政財界の要人、各国の駐日外交団、吉田氏と縁の深い関係者ら約7,000人が参列。 故人の棺は、日の丸をかけられた車に乗せられて会場入りし、場内では黙祷、弔辞、国歌斉唱が静かに進行した。

吉田氏は昭和20年(1945年)から通算5期、内閣総理大臣を務め、日本の戦後復興と独立回復に大きな足跡を残した人物。 特にサンフランシスコ講和条約の締結や日米安全保障条約の締結を主導し、経済優先・安保重視の吉田ドクトリンを通じて戦後日本の進路を決定づけた。

会場では、佐藤栄作首相が「不屈の信念と国家への深い愛情に満ちた吉田氏の生涯は、戦後日本の指針であった」と述べ、故人の遺徳を称えた。 また、アメリカ大使館をはじめとする諸外国からも弔意が寄せられ、吉田氏の国際的評価の高さを物語った。

式後、遺骨は東京都港区の青山霊園に葬られた。日本政府による戦後初の国葬という異例の措置は、今後の国葬制度の在り方にも影響を与える可能性があり、世論の関心も高まっている。

— RekisyNews 政治面 【1967年】

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