【ニューヨーク 10月28日】
本日、ニューヨーク湾に面するベドローズ島(現リバティ島)にて、フランスから米国に贈られた巨大な銅像「自由の女神像(Statue of Liberty)」の除幕式が盛大に執り行われた。 この記念像は、アメリカ合衆国建国100周年(1776–1876)を祝し、両国の友誼と自由の精神を象徴する贈呈品として製作されたものである。
除幕式にはグロバー・クリーブランド大統領をはじめ、要人や市民多数が参列。ハドソン川には多くの艦船が並び、祝砲と歓声が鳴り響くなか、フランス人彫刻家フレデリック・オーギュスト・バルトルディ氏が設計した像のヴェールが正式に取り払われた。
女神像は、台座を含めた高さが約93メートルに達し、右手に掲げる松明は「啓蒙と希望の光」を象徴。 左手には1776年7月4日と刻まれた独立宣言の日付の銘板を持ち、台座足元には鎖が砕かれた表現がなされており、圧政からの解放を意味している。
この像の建設には、フランス国内での募金運動と、米国民による台座建設資金の寄付が大きく貢献。 新聞人ジョセフ・ピュリツァーによる支援呼びかけも話題を呼び、市民の手によって成し遂げられた「民衆による自由の象徴」として高い意義が込められている。
本日の式典でクリーブランド大統領は、「この像はアメリカが掲げる自由と民主の理念が世界中に光をもたらすことを示す灯台である」と演説。群衆から大きな拍手が巻き起こった。
今後、自由の女神像はニューヨーク港を往来する移民や訪問者たちを迎える玄関口の象徴として、新たな時代の希望となることが期待されている。
— RekisyNews 国際面 【1886年】
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