新憲法施行に伴い刑法改正公布──不敬罪・姦通罪を正式に廃止

【東京 10月26日】

本日、政府は新たな日本国憲法の施行(11月3日)を目前に控え、これに対応するための改正刑法を官報にて公布した。今回の改正により、天皇や皇室を対象とした「不敬罪」、および配偶者の不貞行為を処罰対象とする「姦通罪」などが廃止され、戦前からの刑法体系に大きな転換点が刻まれることとなった。

明治時代に制定された従来の刑法においては、天皇や皇族に対する言動の中で「不敬」とみなされる行為は、重罪として処罰されると定められており、思想・表現の自由の制限と長年にわたり議論されてきた。また、姦通罪に関しては、既婚女性が夫以外と関係を持つと処罰される一方で、男性側には寛容な規定が設けられていたため、性別による不均衡が指摘されていた。

これらの規定は、「基本的人権の尊重」や「法の下の平等」を柱とする新憲法の理念に照らして相容れないとの立場から、法務当局により見直しが進められていた。

なお、改正刑法ではこれらの廃止と同時に、新たな社会環境や国際的な法制度の流れを反映する条文の整備も進められている。今後は、新憲法とともに、「戦後日本の法治国家としての歩み」を支える枠組みとしての刑法の役割が一層問われることになろう。

本改正は、1948年1月1日からの施行が予定されており、司法現場では対応準備が急がれている。

— RekisyNews 社会面 【1947年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次