【テアーノ 10月26日】
本日、南イタリアのテアーノ近郊にて、イタリア統一運動を率いる革命家ジュゼッペ・ガリバルディ将軍と、サルデーニャ王国国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世がついに会談。ガリバルディは、今夏以降自らが征服した両シチリア王国の広大な領土を正式に国王に献上し、統一国家樹立への大きな前進となった。
この歴史的瞬間は、後に「テアーノの握手」として語り継がれることになると見られる。草原の中で両者が馬にまたがったまま固く握手を交わした姿は、内外の記者団の目に焼き付けられた。
ガリバルディ将軍は、サルデーニャ王国の援助を受けることなく独自に義勇軍「赤シャツ隊」を率いてシチリア島、ナポリ王国を次々と制圧。わずか数ヶ月のうちに両シチリア王国を陥落させた。だが、共和主義者でありながら、分裂を避けるため、将軍は王政への支持に転じた形となる。
一方、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世は、ピエモンテ=サルデーニャ王国として中部イタリアを併合済みであり、今回の会談をもって南部も統合する方向が明確となった。ガリバルディ将軍は「私は国王の最も忠実なる臣下となる」と述べ、今後の政治的野心を否定した。
今回の「握手」により、イタリア統一への道筋はさらに確かなものとなった。北・中・南の主要領域が統一された今、残るは教皇領とヴェネツィア地方。イタリア全土を一つにする夢は、いよいよ現実味を帯びてきている。
— RekisyNews 欧州面 【1860年】
