【ロンドン 10月26日】
国王ジェームズ1世と政府要人の命を狙った恐るべき爆破計画が、今月26日に発覚した。これは、カトリック教徒による陰謀とされ、来る11月5日の国会開会日に上院議事堂を火薬で爆破しようとする未曾有のテロ行為であった。
きっかけとなったのは、第4代モンティーグル男爵ウィリアム・パーカーのもとに届いた匿名の手紙。手紙は「貴殿が議会に出席するなら、身を守るためにその場を離れるべきだ」との不穏な忠告を含んでおり、不審に思ったモンティーグル卿がただちに国務卿セシル卿に通報した。
王室側は秘密裏に調査を進め、議会の地下室に大量の火薬が運び込まれていることを突き止めた。この段階ではまだ容疑者の名前は明かされていないが、陰謀の中心には過激なカトリック勢力が関与しているとの見方が強まっている。
陰謀は、国王ジェームズ1世によるカトリック弾圧への報復を目的としており、英国政治の根幹を揺るがす未遂事件となった。なお、この情報がもたらされた「モンティーグルの手紙」は、事件解明の決定的な端緒となり、政府は感謝の意を示している。
現時点での逮捕者は確認されていないが、関係者の行方を追う捜査が王命のもとで本格化しており、今後の摘発と裁きは避けられないものとみられる。
国中が平穏を取り戻しつつある中、今回の発覚は王政の危機を未然に防いだ歴史的な一幕として記憶されることとなるであろう。
— RekisyNews 欧州面 【1605年】
