【ベルリン 10月25日】
本日、ナチス親衛隊(SS)全国指導者ハインリヒ・ヒムラーは、ドイツ国内で活動する非体制的な青少年グループへの取締り強化を命じる「青少年の徒党撲滅(Jugendbanden zerschlagen)」命令を正式に発令した。とりわけ、「エーデルヴァイス海賊団(Edelweißpiraten)」と呼ばれる反ナチ的若者組織を標的とした徹底的な鎮圧作戦が進められる見通しである。
エーデルヴァイス海賊団は、ラインラント地方を中心に展開してきた10代後半の少年少女たちの自発的な集団で、ヒトラーユーゲントの硬直した規律や軍国主義に反発し、自由な服装や民謡・フォークソングを通じて独自の文化を形成していた。一部のグループは地下レジスタンスや連合軍捕虜への支援にも関与していると見られ、ナチス当局は治安上の脅威と位置づけてきた。
今回の命令により、SSおよびゲシュタポは全国の関係当局と連携し、メンバーの一斉検挙、尋問、場合によっては強制収容所への送致を含む厳罰化を推し進める方針。ヒムラーは命令文中で「青少年に蔓延する不道徳と背信の芽を断ち切ることは、国家の将来を守るために不可欠である」と強調した。
ドイツ国内では総力戦体制の下、青少年の戦争動員や徴兵が加速するなか、体制に従わない若者への抑圧は今後さらに過酷さを増すものとみられる。
— RekisyNews 欧州面 【1944年】
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