【ミュンスター/オスナブリュック 10月24日】
神聖ローマ帝国をはじめ、フランス、スウェーデン、スペイン、オランダなど欧州主要国が参加した三十年戦争の講和条約が本日、ヴェストファーレン地方のミュンスターとオスナブリュックの両都市で正式に調印された。これにより、1618年から続いた大規模な宗教・政治戦争はついに終結を迎えた。
調印された一連の条約は「ヴェストファーレン条約」と呼ばれ、ヨーロッパ全土の政治地図に大きな変化をもたらすことになる。主な内容には、以下のような取り決めが含まれる:
- 神聖ローマ帝国内の各領邦に信仰の自由を認め、ルター派・カルヴァン派・カトリックの三宗派が合法とされる
- スイスとオランダの独立が国際的に承認される
- フランスはアルザス地方の一部を、スウェーデンはドイツ北部の要所を獲得
- 教皇の抗議にもかかわらず、世俗国家間の合意が優先される新たな国際秩序が確立
この講和は、宗教戦争として始まった三十年戦争が国家利益を巡る近代戦争へと変質していたことを象徴している。また、条約によって国際会議を通じた戦争終結という新しい形が示され、「主権国家」概念の基盤が形成されたことは、今後の外交のあり方に大きな影響を与えると見られる。
各国の代表団は、長期に及ぶ交渉と妥協の末にこの合意に至り、ミュンスターの街には平和を祝う鐘の音と市民の歓声が響き渡った。だが一方で、戦争によって荒廃したドイツ各地の復興は容易ではなく、失われた命と社会秩序の回復には長い時間が必要とされる。
— RekisyNews 国際面 【1648年】
