教皇、進化論容認を正式表明──「信仰と科学は矛盾せず」

【バチカン市国 10月23日】

ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は本日、ダーウィンの進化論がカトリック教会の信仰と矛盾しないとの見解を公式に示した。これは、長年にわたり議論されてきた科学と宗教の関係に対する教会の姿勢を大きく前進させる声明として注目を集めている。

教皇は、教皇庁の諮問機関である教皇科学アカデミーに宛てた書簡の中で、「進化は、広く支持される仮説以上のものとみなされうる」とし、生物の身体的起源については進化論を受け入れる余地があると述べた。ただし、人間の魂は依然として神の創造によるものであり、科学的な説明の範疇ではないとする信仰上の立場は維持されている。

この発言は、1950年にピウス12世が発した回勅『フマニ・ジェネリス』以来、カトリック教会として進化論に対する最も積極的な姿勢とされる。当時も教会は進化論を完全には否定していなかったが、今回の表明は教義との両立をより明確に示すものとなった。

世界の科学界や宗教界からは、「信仰と理性の対立を超える重要な一歩」として歓迎の声が上がっている。一方、創造論を厳格に信じる一部の宗教団体からは慎重な見解も聞かれ、今後の波紋が予想される。

— RekisyNews 宗教面 【1996年】

アイキャッチ画像 Gov.pl, CC BY 3.0 pl, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=116721606による

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