【ストックホルム 10月23日】
スウェーデン王立科学アカデミーは本日、1973年のノーベル物理学賞を江崎玲於奈氏(日本)、アイヴァー・ジャイバー氏(米国)、ブライアン・ジョゼフソン氏(英国)の3名に授与すると発表した。
江崎氏は東京通信工業(現ソニー)在籍時、半導体における量子トンネル効果を観測し、世界初のトンネルダイオード(エサキダイオード)を開発。この成果はその後の高速電子デバイス開発に大きな影響を与えた。
ジャイバー氏は金属・超伝導体間での電子トンネル現象の観測により、量子物理の新たな地平を切り拓いた。ジョゼフソン氏はまだ20代の若さで、超伝導体間における電流の量子トンネル(ジョセフソン効果)を理論的に予測し、基礎物理に多大な貢献を果たしている。
日本人としては湯川秀樹氏、朝永振一郎氏に続く3人目のノーベル物理学賞受賞者となった江崎氏。現在は米・IBMワトソン研究所に所属しており、さらなる研究の継続が期待されている。
— RekisyNews 科学面 【1973年】