【ワシントン 10月22日】
本日夜、ジョン・F・ケネディ米大統領は、テレビ演説を通じて全世界に向けて重大声明を発表した。大統領は、ソビエト連邦がキューバに核ミサイル基地を建設していることを公式に明らかにし、アメリカはこれに対抗してキューバ周辺の「厳格な海上封鎖(隔離)」を実施すると宣言した。
ケネディ氏は演説の中で、「西半球におけるこの種の攻撃的ミサイル基地の建設は、米州に対する明白な脅威である」と述べ、国民と同盟諸国に対し最大限の警戒を呼びかけた。
アメリカ海軍はすでにキューバ沖に艦隊を配備しており、ソ連の貨物船がミサイル関連物資を運搬していると判断されれば、即座に拿捕や退去命令が下される見通しだ。
今回の声明は、先週発覚した偵察機U-2によるキューバ上空での空中写真分析によって、ソ連の中距離弾道ミサイル(MRBM)発射台が存在することが確認されたことを受けての対応である。
米国議会も緊急招集され、核戦争の危機がかつてないほどに高まる中、外交・軍事の両面で緊迫した対応が迫られている。モスクワの反応も注目され、事態は世界の安全保障に重大な影響を及ぼすことは避けられない。
— RekisyNews 国際面 【1962年】