【ワシントンD.C. 10月21日】
本日、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.にて、ベトナム戦争への即時撤退を訴える史上最大規模の反戦デモ「ペンタゴン大行進」が実施された。主催したのは「ベトナム戦争終結のための国民動員委員会」(National Mobilization Committee to End the War in Vietnam)で、参加者数は10万人を超えたと見られている。
参加者たちは午前中にリンカーン記念堂前に集合し、反戦ミュージシャンや詩人によるパフォーマンスの後、「戦争反対」「若者を戦地に送るな」といったプラカードを掲げてペンタゴンへ向けて行進。午後には国防総省を包囲し、建物に向かって平和を訴える声を上げ続けた。
一部の急進的参加者は「ペンタゴンを浮かせて悪を祓う」といった象徴的抗議を試みたほか、建物の正面階段に突入しようとするなど警備当局との小競り合いも発生。数百人が逮捕されたとされるが、大多数はあくまで非暴力を貫いた。
この大行進には、宗教団体、学生運動家、公民権活動家、芸術家など多様な層が参加。著名な詩人アレン・ギンズバーグ氏や、反戦に転じた元軍人たちも姿を見せ、「もはやこの戦争を容認できない」と訴えた。
戦況が泥沼化する中、国民の間ではベトナム戦争への疑念が急速に高まっており、政府への圧力は一層強まることが予想される。今回の大行進は、アメリカ国内における反戦世論のうねりが、もはや一部の若者の主張にとどまらない規模へと拡大していることを示すものとなった。
— RekisyNews 国際面 【1967年】