【フィリピン沖 10月21日】
本日、日本海軍の「神風特別攻撃隊」が初の実戦出撃を行い、フィリピン方面に展開中の連合国艦隊に対して体当たり攻撃を敢行した。この攻撃隊は、パイロットが自らの命を賭して敵艦に突入するという、かつてない戦法をもって編成された部隊であり、比島戦線における戦局打開を狙ったものである。
最初の出撃は、マバラカット西飛行場(ルソン島)から発進した一式陸攻による戦闘機搭載作戦で、5機の零式艦上戦闘機がアメリカ艦隊を目指し飛び立った。このうち、関行男中尉を含む数機が、レイテ湾に展開していた敵艦隊への攻撃を敢行。1隻の護衛空母に命中したとされ、甚大な損害を与えた模様である。
「特別攻撃隊」は、死を覚悟した攻撃手段として正式に編成されたものであり、航空燃料や機材の不足、航空戦力の消耗が進む中、限られた戦力で最大の効果を狙う苦渋の選択とされている。
海軍関係者は、「国難に殉じる若者たちの崇高なる精神に、国民一同が深く感謝しなければならない」と述べ、今後の攻撃強化にも含みを持たせた。政府や報道各社は、これを“必勝の新戦法”として大々的に取り上げ、国内では感動と衝撃が交錯している。
一方、軍部内部では、人命を犠牲とする戦術に対する賛否も根強く、士気の維持や戦果の客観的評価については慎重な意見もある。
戦局が逼迫する中、若き命を捧げた初の特攻作戦は、日本の戦い方に新たな局面をもたらすこととなった。
— RekisyNews 社会面 【1944年】