【東京 10月20日】
本日、日本帝国はフランス・パリを本部とする「メートル条約」へ正式に加盟した。これにより、日本は世界各国と共通の度量衡制度を採用する道を選び、国際的な計量単位の統一に向けた重要な一歩を踏み出した。
メートル条約は1875年に設立され、長さの単位「メートル」や質量の単位「キログラム」など、自然科学に基づく普遍的な計量体系を確立することを目的とする国際協定である。日本の加盟は、条約設立から10年を経た今、アジア諸国としては初の事例となる。
これまで日本では、尺貫法を基本とした伝統的な度量衡が用いられてきたが、文明開化の進展とともに、欧米諸国との貿易や技術交流において不便が指摘されていた。明治政府は「富国強兵・殖産興業」の国策のもと、諸制度の欧化を進めており、今回の加盟もその一環として位置づけられている。
今後、日本はパリの国際度量衡局(BIPM)から公式の国際メートル原器およびキログラム原器の複製を受け取り、それを基準として国内の計量制度を整備する予定である。また、全国の官庁や学術機関、工業界においても、これらの新しい単位の導入が段階的に進められることとなる。
関係者の間では、「国際標準を採用することにより、日本の科学技術の発展と輸出産業の信頼性が一層高まるだろう」との声も上がっている。
— RekisyNews 科学面 【1885年】