NASAの木星探査機「ガリレオ」、ついに宇宙へ──史上初の木星軌道投入を目指す

【フロリダ州ケープカナベラル 10月18日】

本日午前、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、木星探査機「ガリレオ」をスペースシャトル「アトランティス号」に搭載し、フロリダ州ケネディ宇宙センターから無事打ち上げに成功した。これにより、「ガリレオ」は史上初となる木星軌道への投入と、大気圏突入カプセルによる詳細探査を目指す壮大な旅へと出発した。

探査機「ガリレオ」は、15世紀の天文学者ガリレオ・ガリレイにちなんで命名され、木星本体およびその衛星系に関する科学的知見の飛躍的拡大を目的とした大型ミッション。今回の打ち上げでは、シャトルから切り離された後に、イナートシャル上段ロケット(IUS)を使って宇宙空間へと進路を変えた。

地球の重力圏を脱した「ガリレオ」は、今後数年間にわたり、地球と金星の重力アシスト(スイングバイ)を利用しながら軌道を拡大し、1995年12月に木星へ到達する計画とされている。

最大の特徴は、本体とは別に搭載された大気圏突入プローブ(カプセル)。このプローブは木星大気に突入し、その成分・構造・温度・風速などを初めて直接観測するという、かつてない挑戦に臨む。また、本体は木星の周回軌道に入り、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストなどの衛星を詳細に調査する予定だ。

NASAは今回のミッションを「太陽系探査の金字塔」と位置づけており、多くの科学者が木星の成因や内部構造、さらには生命存在の可能性に関する新たな情報に期待を寄せている。

— RekisyNews 科学面 【1989年】

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