【東京 10月18日】
本日、前陸軍大臣・東條英機大将が内閣総理大臣に任命され、新たな内閣(いわゆる「東條内閣」)が正式に発足した。これは、15日に総辞職を表明した近衛文麿内閣の後継政権であり、日米交渉の緊張が極まる中、戦時体制をより一層強化する陣容となっている。
東條大将はこれまで、陸軍の中枢として国家総動員体制の推進役を務めてきた人物であり、開戦に備えた準備を急ぐ軍部の意向を体現する存在として知られている。今次の組閣にあたっては、陸軍出身の首相が内閣を主導する形となり、政治と軍事の一体化がさらに進んだともいえる。
新内閣の顔ぶれには、内相に安藤紀三郎、外相に東郷茂徳、陸相には引き続き東條自身が就任するなど、内政・外交・軍事の重要ポストを強硬派が占める形となった。これは、米英との外交交渉が難航するなか、事態が開戦の瀬戸際にあることを強く物語っている。
また、昭和天皇の御前での組閣奏請においては、東條氏が「万難を排し、国体を護持する覚悟で職に当たる」と決意を述べたとされる。これに対し、宮中関係者からは「軍部への期待と同時に、戦争回避への努力も尽くされることを望む」との声も聞かれた。
東條首相は早速、閣議を開き、国民に対し「国難を克服するため、あらゆる力を結集し、国体の精華を発揮するべき時である」との声明を発表。全国民に対し一致団結を呼びかけた。
今後の政局は、日米関係の行方、そして大東亜地域での軍事行動の進展と密接に関わっていくものと見られる。
— RekisyNews 政治面 【1941年】