【東京 10月11日】
運輸大臣の荒舩清十郎氏が本日付で辞任を表明した。辞任の理由は、地元・埼玉県の深谷駅を急行停車駅に格上げさせた政治介入の責任を問われたためであり、野党をはじめとする国会内外の強い批判に応じた形だ。
問題となったのは、上越線のダイヤ改正に伴い、荒舩氏の選挙区内にある深谷駅が急行停車駅として扱われるようになった経緯である。これに対し、「閣僚の地元利益誘導ではないか」との疑念が高まり、政権の公正性に対する信頼を揺るがす事態となっていた。
荒舩氏は本日の記者会見で、「国民の疑念を招いた責任は重い。潔く職を辞することでけじめをつけたい」と述べた。また、急行停車に至った経緯については「正式な手続きを踏んだ上での措置だった」とし、意図的な便宜供与を否定している。
この事件は、政界の利権構造やモラルの問題を象徴する一連の疑惑「黒い霧事件」の一部として捉えられており、すでに他の省庁や議員に対する調査も進められている。政権内での緊張感は高まりつつあり、今後さらなる波紋を呼ぶ可能性が高い。
— RekisyNews 政治面 【1966年】