【ラパス 10月9日】
ボリビア政府は本日、キューバ革命の英雄として知られたエルネスト・“チェ”・ゲバラ氏が、南東部の山岳地帯にて政府軍により射殺されたと発表した。ゲバラ氏は数か月にわたりボリビア国内で反政府ゲリラ活動を展開していたとされ、その所在は軍・情報機関によって追跡されていた。
軍の発表によれば、ゲバラ氏は前日、サンタクルス県バジェグランデ付近の小村ラ・イゲラ周辺にて拘束されたが、翌9日朝、現地で処刑された。遺体はヘリコプターで搬送され、公開される予定だという。
ゲバラ氏はかつてキューバ革命においてフィデル・カストロ氏と共闘し、1959年のバティスタ政権打倒に重要な役割を果たした。その後、国立銀行総裁・産業相などを歴任したが、革命の輸出を志し、1965年には公職を辞してアフリカや南米に姿を現すようになっていた。
今年に入り、ボリビアでの活動が各地で確認されるようになり、アメリカをはじめとする西側諸国は、地域不安定化の懸念から強い関心を寄せていた。
なお、今回の作戦にはアメリカの中央情報局(CIA)関係者が関与していた可能性も指摘されており、ゲバラ氏の死は今後、国際的な波紋を広げることは避けられない見通しである。
「死してなお革命の象徴」とも称されるその存在が、今後のラテンアメリカ情勢にどのような影響を与えるか注目される。
— RekisyNews 国際面 【1967年】
