【東京 10月9日】
本日、政府は我が国が「メートル条約」への正式加盟を果たしたと発表した。これは、フランス・パリに本部を置く国際度量衡局(BIPM)が主導する国際的な度量衡制度への参加を意味するものであり、東洋諸国としては初の加盟国となる。
メートル条約は、1875年に17か国の間で締結された国際協定であり、長さの単位である「メートル」と質量の単位である「キログラム」を基準とする、統一的な度量衡体系の普及を目的としている。我が国はこれまで、尺貫法を中心とした伝統的な単位体系を用いてきたが、明治政府の欧化政策とともに、国際標準への転換が急務とされていた。
外務省の発表によれば、我が国の代表は先月、正式にパリでの協定書に署名し、今般の国内手続き完了をもって、正式加盟が成立したとのこと。今後は、国際キログラム原器およびメートル原器の複製が日本に送られ、標準器として各種測定機器や工業規格の基礎とされる。
内務省技術局関係者は、「度量衡の国際統一は、商業、製造、教育、すべての分野において大きな恩恵をもたらす。列強諸国との交流を深めるには、単位の共通化が欠かせない」と語っている。
今後、国内の単位制度を段階的にメートル法へと移行する施策が進められる見込みであり、商工業者や教育関係者には混乱を避けるための周知徹底が求められそうだ。
— RekisyNews 社会面 【1885年】
