【ラパス 10月8日】
ボリビア東部の山岳地帯に展開していた政府軍は8日、反政府ゲリラ部隊との戦闘の末、アルゼンチン出身の革命家エルネスト・“チェ”・ゲバラとみられる男を生け捕りにしたと発表した。現地報道によれば、ゲバラはボリビア国内で秘密裡に武装蜂起を計画し、数か月にわたり農民の支援を求めていたとされる。
捕縛が行われたのは、ボリビア南東部バジェグランデ近郊のジャングル地帯。ここでは数日前から政府軍とゲリラ部隊との間で断続的な衝突が続いており、8日にはついにゲリラ拠点のひとつが包囲・制圧された模様だ。
ボリビア政府は、ゲリラ戦線を指導していた人物について「外国人であり、かつてキューバ革命で名を馳せた人物である」との見方を示しており、すでにキューバ政府関係者の関与を強く疑っている。
現地に派遣された記者によると、捕縛された男は髭をたくわえ、野戦服を身にまとっていたという。地元兵士の証言では、「彼は自分がチェ・ゲバラであるとは語っていないが、持っていた日記や武器、同行していた者の証言から、極めて高い確度で本人と見ている」とされる。
キューバ革命でフィデル・カストロと共に戦い、世界的に“革命の英雄”と称されたゲバラは、その後アフリカ・コンゴへの遠征を経て消息を絶っていた。今回のボリビアでの活動は、国際的な共産主義運動の一環と見られ、ラテンアメリカ全体への波及が懸念されていた。
今後、ゲバラの身柄の扱いについては軍当局内でも対応が分かれており、裁判にかけるのか、それとも即時処分されるのか注目が集まっている。各国政府や人権団体も、この件に対し慎重な反応を示している。
— RekisyNews 国際面 【1967年】