【江戸 10月8日】
本日、江戸幕府において新たな役職「御庭番(おにわばん)」が設けられたことが関係筋への取材で明らかとなった。将軍徳川吉宗公が進める政務改革の一環とみられ、幕政の安定と情報収集体制の強化を目的としている。
御庭番は、従来の幕府組織には存在しなかった新設の職務であり、将軍の親衛的な立場にありながら、他藩や幕臣らの内情を密かに調査・報告する任務を帯びるとされる。配置は江戸城西の丸大奥の裏手に近い御庭(御用地)付近とされており、通称に由来して「御庭番」と呼ばれるに至ったという。
初代として任命されたのは、馬術・剣術に長けた根来家をはじめとする数名の旗本と伝えられている。彼らは将軍直轄の命を受けて密命を帯び、普段は園地の警備や用務にあたる一方で、内密に諸国を巡察することもあると見られる。
近年、将軍吉宗公は「享保の改革」と呼ばれる抜本的な政治・財政再建を進めており、質素倹約の奨励、町触の徹底、目安箱の設置など、民政においても新風を吹き込んでいる。今回の御庭番の新設も、情報による政治統制を重視する姿勢の表れとされる。
町民の間では、「御庭番とは忍びのような役目か」「悪政を訴えれば将軍様に直接届くのか」などと、早くも関心と噂が広まりつつある。
今後、御庭番の動向が幕政の裏舞台でどのような影響を及ぼすのか、注視されるところだ。
— RekisyNews 政治面 【1716年】