【大阪 10月7日】
本日、近畿地方を中心に販売された菓子の一部から青酸カリとみられる物質が検出されたとして、製造元の森永製菓と関係小売店が該当商品の緊急回収を行った。消費者からの通報を受けた保健当局が分析を進める中、現場のスーパーやコンビニには不安を抱えた買い物客が詰めかけ、店頭では該当商品の陳列が撤去され、一時は混乱が見られた。
森永製菓は記者会見で、該当製品の販売停止と自主回収を表明し、被害の拡大を防ぐため全量の隔離と出荷停止を実施すると説明した。代表者は「消費者に深くおわび申し上げる」と謝罪し、検査機関と連携して原因究明に当たると述べた。保健所は当面、当該商品の摂取を避けるよう呼びかけ、体調不良者がいれば直ちに医療機関に連絡するよう指示。市のホットラインには大量の問い合わせが寄せられている。
流通側も対応に追われ、チェーン各社は該当ロットの回収と全額返金を発表、学校給食や子供のいる家庭に対して特段の注意喚起が出された。厚生省(当時)も監視を強化し、食品衛生法の観点から行政検査を拡大するとしている。
警察当局はこの事案を重大事件として捜査本部を設置し、製造から流通過程での意図的な混入の有無を含めて調べる方針。流通経路の追跡や工場の立ち入り検査も進められており、食の安全を揺るがす事態に、消費者の信用回復と早期の原因究明が急務となっている。
— RekisyNews 社会面 【1984年】
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