「鉄と血によって」──新任ビスマルク首相、議会で国家の強化を訴え

【ベルリン 9月30日】

本日、プロイセン王国の新たな首相に任命されたオットー・フォン・ビスマルク氏が、下院での予算委員会において国家の軍事力と統一の必要性を強調する演説を行い、議場内外に大きな波紋を広げている。

ビスマルク首相は演説の中で、ドイツ諸邦の統一問題と外交的孤立について触れつつ、「今日の大問題は演説や多数決ではなく、鉄と血によって解決される」との言葉で議場を圧倒。議会主導による改革よりも、軍備拡張と実力行使を通じた現実的対応を優先すべきとの考えを明確に示した。

この発言は、現在対立の続く軍事予算問題への圧力と見られ、議会の自由主義派にとっては挑戦的な内容となった。保守派の一部からは喝采が上がる一方で、野党議員の中には「王権主義の復活を宣言したに等しい」との非難もあり、議場は一時騒然とした。

ビスマルク氏はこれまでも駐フランス公使としての辣腕を振るい、強硬かつ現実主義的な外交姿勢で知られてきた人物。今後、プロイセン王ヴィルヘルム一世の信任を背景に、軍制改革や国家統一を巡る政治に本格的に乗り出すと見られている。

議場周辺では市民の間にも関心が広がっており、「ビスマルクは国を強くするのか、それとも危険に晒すのか」といった声が相次いだ。プロイセンの未来が演説のとおり「鉄と血」によって形作られるのか否か、今後の政局が注目される。

— RekisyNews 政治面 【1862年】

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