仏・新たな時事週刊誌『ル・ポワン』創刊──政治・経済を鋭く切り取る新勢力

【パリ 9月25日】

本日、フランスの報道界に新たな風が吹き込まれた。週刊政治ニュース雑誌『ル・ポワン(Le Point)』がついに創刊号を刊行し、全国の書店にその姿を現した。政治、経済、社会問題を中心に掘り下げる同誌は、すでに国内外から高い注目を集めている。

『ル・ポワン』は、かつて老舗誌『レクスプレス(L’Express)』の編集部に所属していたジャーナリストらによって立ち上げられた独立系メディアで、既存の権威に寄りかからない自由な報道姿勢を掲げている。創刊編集長にはクロード・イモベール氏が就任し、「権力と距離を保ちつつ、真実を伝えるメディアでありたい」と創刊の辞で語った。

初号の特集は、急進化するヨーロッパ経済圏の構造改革や、ポンピドゥー政権下の外交政策に対する批判的分析など、読み応えある内容で構成されており、知識層を中心に関心が高まっている。さらに、文化・科学・国際情勢に関するコラムも充実しており、「硬派でありながら視野が広い」との評価も聞かれる。

近年のフランスでは、政治的混迷や経済不安により、報道機関への期待と不信が入り混じる複雑な世論が存在する。こうした中で『ル・ポワン』は、徹底した調査報道と独立性を武器に、新たなジャーナリズムの在り方を模索する存在として、早くも識者らの議論を呼んでいる。

同誌は今後、毎週木曜に発行予定。仏報道界における“第4の権力”の一角を担う存在として、その動向に注目が集まっている。

— RekisyNews メディア面 【1972年】

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