異国の船、種子島に漂着──南蛮渡来の“火を噴く武器”に島民驚愕

【種子島・西村前之浜 9月23日】

昨日午後、種子島西村村(前之浜)の海岸に異国風の小型船が漂着。地元漁民の通報を受け、島主・種子島時尭(ときたか)公の命により調査が行われた

乗っていたのは数名の異国人を含む一行で、その中にポルトガルの出身と見られる者がおり、彼らは異国の言葉を交えながら身振り手振りで遭難の経緯を説明。伝えられるところによれば、嵐により航路を逸れ、偶然この島へと流れ着いたとのことである。

島民の関心を集めたのは、彼らが所持していた「火薬の力で鉄丸を発射する筒状の道具」――いわゆる“火縄銃”であった。試射を行ったところ、激しい音と共に的を貫通するその威力に、武士たちは「弓矢に代わる戦の道具」と驚嘆したという。

これを受けて時尭公は、島の鍛冶職人にこの“火を噴く武器”の再現を命じたとも伝えられており、今後の国産化も視野に入れての動きが進む見込みだ。

町民の一人は「異国の者が争いをもたらさぬよう願うが、この“鉄の筒”には得体の知れぬ力がある」と語った。

この漂着をきっかけに、我が国と異国との新たな接触の扉が開かれたことは疑いない。今後の交流と影響に注目が集まる。

— RekisyNews 南蛮通信 【1543年】

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